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前回はカットマン用ラケットについて説明しました。

それに少しだけ関連するエピソードとして、2ヶ月前に試合をして印象に残った人のことをお話ししたいと思います。

初めてお会いして、以後それっきりになっていて、お名前も覚えていない方です。

ダチョウ倶楽部の肥後さんっぽい記憶があるので、ここでは肥後さんということにします。


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 手の内は本番まで明かさない
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いつもはフリー参加で練習ができる卓球場で、たまには試合をやろうということになりました。

私は肥後さんと対戦することになり、試合前のラリーを始めました。

ラケットは若干大きめで、カットマン用ラケットのようでした。

黒い裏ソフトのフォア面だけで打ち、赤いラバーで打つことはありませんでした。

また普通のフォアラリーで、カットをすることはありませんでした。

カットマンが試合前のウォーミングアップでも、カットをしないのは別に不思議ではありません。

カットマンは、切る/切らないといった回転量の変化で相手のミスを誘う戦法です。

第1ゲームはその辺りの情報分析も兼ねて、様子見だったりお互いの腹の探り合いの展開となることがあります。

従って、カットする打球フォームや回転量の情報を試合前に与えず、1点でも多く得点を得たいと思っている人がいます。

もちろんカットをしてくれる人もいて、私が特にうれしいのは、バックが粒高ラバーでカットをしてくれる人です。

私はカットマンとの試合はツッツキで粘ったりせず、連続カット打ちで甘いボールを強打するようにしています。

そして主にバック側にボールを集めるので、粒高でカットした球を打つことが多くなります。

粒高ラバーは製品によって変化の度合いが結構異なります。

使う人のクセにも当然左右されます。

そのため情報分析の過程で、どうしてもミスをしてしまいます。

カットする側は、バックカットも試合前に肩慣らしをしたい気持ちがあることは分かります。

カット側と攻撃側、双方の考えを相殺すると、私ならバックカットを披露してしまうのは攻撃側に少し有利に働くと思います。


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 私の思い込み
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じゃんけんの前に、お互いのラケットを交換しました。

肥後さんはバタフライのカット用ラケットで、フォア面が裏ソフト、バック面が粒高ラバーでした。

カットマンとしてはよく見かける用具です。

肥後さんのサーブで試合が始まり、しょっぱなから3球目攻撃を仕掛けてきました。

意表を突いて混乱させる作戦かもしれません。

なんと次も3球目攻撃です。

サーブ権が移り、私はまずはバックカットの球を見極めたいと思い、バッククロスにロングサーブを出す予定でした。

あれっ、肥後さんは随分前の方に構えています。

カットマンの攻略法として、フォア前やミドル前に短いサーブを出して前に寄せておき、返ってきたボールをミドルに叩きこむというパターンがあります。

それに備えているのでしょうか。

だとすればちょうど逆になる、ロングサーブをバック深くにお見舞いしてやれば、ギャフン(死語)と言わせられそうです。

必殺ロングサーーブ、えいっ!、あれっ、カットせず粒高ラバーでブロックして返してきました。

それをもう1度、バックに打ち返しましたが、再びブロックしてきます。

ここでやっと分かったことは、肥後さんはカットマンではなかったということでした。


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 何を使うかは人の勝手
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勝手にカットマンだと決めつけていた私が馬鹿だったんですが、それでも紛らわしいです。

せめてじゃんけんした後に、「ちなみに私はカットマンではありません」と一言言ってくれれば、心の準備が出来たのに。

肥後さん、あなたカットしないのに、どうしてそんな大きいラケットを使ってるんですか。

ダチョウ倶楽部のギャグ「聞いてないよ~」をこっちが言いたくなりました。

カットマンから転向して、そういうラケットに慣れているんでしょうか。

確かに粒高でブロック主体の選手は、重くて弾み控えめのラケットを好む人もいます。

ニッタクが剛力という受注生産しているラケットがあり、そういう方にピッタリの一本です。

でも肥後さんは結構フォア主体で動きまわり、バックは繋ぎのスタイルです。

まあこんなことで悩んでも仕方がなく、要は本人が気に入った用具なのですね。


試合では、肥後さんのドライブをカウンタースマッシュで何本か決めることが出来、快感でした。

その際、肥後さんは「気のせい、気のせい」とつぶやいていました。

「気にしない」なら分かるのですが、「気のせい」というのは単なる言い間違いか、もしくは無かったことにして現実から目をそらしたいのでしょうか。

いずれにしても初めて聞いた独り言でした。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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