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1月に行われた全日本選手権では、上位に勝ち進んだ選手以外にも大きくメディアに取り上げられた人がいました。

その中の1人に張本美和選手がいました。

試合が行われるコートは常に数名のカメラマンが取り囲んでいました。

マスコミは毎回若手の目玉選手を追いかける傾向があり、張本選手はその中でも最年少の注目株でした。

全日本選手権の模様については、以前特派員D氏からのレポートをお届けしました。

そしてD氏はたまたまですが張本選手の試合も見ていました。

少数派の戦型を中心に見ていたため、カットマンと対戦する張本選手の試合が目に留まったのです。


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 長年の思い込みを修正
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張本選手は小学生ながら、一般の女子シングルスで3回戦まで進みました。

2回戦と3回戦はカットマンが相手で、それぞれの相手に対する感想が卓球王国の速報に書かれていました。

2回戦のカットマンは切るカットマンでしたが、3回戦の相手はナックル中心のカットマンのため苦戦して負けたとのことでした。

D氏はその速報の文章を読んで、いろいろと考えさせられることがありました。

ペンドラ(ペンホルダーのドライブマン)であるD氏がカットマンと対戦するときのモットーは、ドライブで押して押しまくり、浮いた返球をスマッシュで撃ち抜くことです。

それが王道であると固く信じ、そこそこ通用してきました。

ただなぜか相手のカットにボールが合わず、ミスを連発して負けることがありました。

王国の速報を読んでいて、その負け方にピーンとくるものがありました。

「そうか、ナックル主体のカットマンか…」

つまり張本選手の試合とはすさまじいレベルの差はあるものの、自分もあまり切らないカットマンには慣れておらず、対処を間違って負けていたことに気がつきました。

D氏はカットマンは大別すると、切るタイプと入れるタイプの2種類がいると捉えていました。

切るタイプはブチ切れカットで強打を防ぎ、入れるタイプはコース取りと変化で勝負するものという理解です。

そのような独自の分類および解釈は、多くの人がそれぞれ理解しやすいように理論立てて持っています。

D氏の頭にはあまり切ってこないカットマンという存在はありましたが、それでもある程度切れているボールを通常の返球として返すものだという固定観念がありました。

ナックル主体にしてしまうと毎回強打を喰らうのは必至で、そんなスタイルは存在するわけがないと信じていました。

馬鹿打ちして自滅した過去の試合を振り返り、なるほどバックスピンがあまりかかっていないボールがやたらと多かったことを理解しました。


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 とてもためになったゲーム
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それからしばらく経ち、D氏はある試合の審判をしていました。

片方の選手は30歳くらいの女性のカットマンでした。

そしてナックル中心のカットマンのように見えました。

一方の対戦相手はD氏と同年代の50歳くらいの男性で、ペン表ソフトの選手でした。

とてもスレンダーな方で、D氏のほどの筋力はなさそうに見えました。

試合の序盤はカットマンの女性がリードしていましたが、それは男性がナックルカットに慣れていないためのようでした。

ボールが合ってくるとペンの男性はスマッシュを打ちだしました。

決まることもありましたが、結構返されてしまっていました。

それなりに速いボールなのに返されるのは、台から距離を取れば返しやすくなること、そしてちょうど手が届くストライクゾーンに放たれていたためでした。

D氏はペンの男性がナックルカットに素早く対応したことにうれしくなりましたが、強打が返されてしまう状態をどう打開するのか見守っていました。

男性はバックサイドを広角に切るサーブを出し、返ってきたボールをフォアに返す左右の揺さぶりをかけ始めました。

強打は時折混ぜ、返球されるとミドルにまるで当てそこないのような短く緩いボールを送り前後にも揺さぶります。

これは結構効いて男性のほうに形勢逆転しつつありました。

とっても参考になる戦術で、D氏はわくわくしながら審判をしていました。

それと同時に自分が力任せにスマッシュを叩きこんでいたのは単なる自己満足で、試合に勝とうという意識が低かったことを反省しました。

ここでペンの男性は十八番のサーブとして取っておいた、しゃがみ込みサーブを出しました。

ペンでしゃがみ込みはあまり見かけませんが、ぱっと見では何回転なのかさっぱりわからないミラクルサーブです。

しかしながら魔球サーブはカットマンにあまり効かないことが多く、ペンの男性が放ったしゃがみ込みサーブも同じでした。

逆に女性はバックの粒高ラバーで虚を突くロングサーブを出してきました。

粒のロングサーブは1発だけなら効くと言われていて、見事に男性はネットに引っ掛けてしまいました。

最後も男性はミドルに短く緩いボールを送ったものの、多用しすぎで読まれており飛び込みスマッシュを決められ試合が終わりました。

でもなかなかの熱戦で、審判をしていたD氏にも大いに収穫がありました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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