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前回に引き続き魔球を放つ異色の卓球アイテム、粒高ラバーについてお話しいたします。


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 粒高ラバーの開祖、張選手
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そもそも粒高ラバーというものが生まれた経緯はどのようなものだったのでしょうか。

それにはずっと前にもご紹介したことがある、中国の張燮林(チャンシエリン)という選手が大きく関係しています。

張選手は1950年代の末期、中国式ペンホルダーを使ったカットマンでした。

当時の中国はペンホルダーのカットマンもそれなりに存在し、スポンジのない1枚ラバーを使っている人が多かったそうです。

張選手は紅双喜というメーカーが廃棄する不良ラバーを入手し、それを使ってみました。

裏ソフトラバーに使われるはずだった若干粒が高めのゴムシートで、それを逆向きにして1枚ラバーとして貼ってみたのです。

今の粒高ほどの高い粒ではありませんでしたが、通常の1枚ラバーとは異なる特徴を見出しました。

まだ卓球界には粒高ラバーというジャンルが認知されていなかったこともあり、1960年代に入って張選手のミラクルボールは強力な武器となりました。

ちなみに張選手は中ペン(中国式ペンホルダー)を使うカットマンですが、バックカットは裏面を使うのではなく表面でカットしていました。

またカットの時は人差し指をラケットの裏面に回し、表面は親指だけという握りでした。


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 2つの疑問
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私が張選手のスタイルについて思うことは2点ありました。

1つめはペンの表面のカットでバックカットがちゃんとできるのかということです。

自分が片面だけにラバーを貼ったペンホルダーで、バック側の表面ショートは肘が邪魔になりストライクゾーンが狭いという欠点を痛感します。

他方ペンの裏面打法やシェークだと肘が体に当たらないためストライクゾーンが広くなるのです。

実際、真似事で中ペンの表面でカットを試みると、上体をバック側にひねり肘を前に突き出した形でカットをするため、肘が邪魔になることはありません。

手の届く範囲もシェークのカットマンと同等です。

しかもフォア・バック共にペンの表面でカットする場合、弱点のミドルがかなり解消されます。

これって結構いいのではと可能性を感じてしまいました。

もう1つはカットマンなのにスポンジのない1枚ラバーを使っていた点です。

現在のカットマンでもスポンジのないOXの粒高ラバーを使っている人はいますが少数派です。

カットの安定性ではたとえ極薄でもスポンジがあったほうが良いと思います。

台上のナックルPUSHやナックルショートをするならOXに分がありますが、それはカットマンよりも粒高ブロックマンに求められる要素です。

思うに張選手の時代は粒高ではない1枚ラバーの選手がまだ多く、その流れもあって1枚ラバーの粒高カットマンだったのかなと勝手に解釈しています。


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 ペンの裏面に粒高を
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粒高使いの人は打球時に粒を倒しそれがもとに戻る感覚を大切にしています。

そうでない返球は甘いチャンスボールになり強打を食らってしまうからです。

相手はその逆で棒球が返ってきやすいナックルロングサーブを出してくる比率が高くなり、それへの対策とのせめぎあいとなります。

粒高であれば、回転が分かりづらい魔球サーブの返球精度が上がるというのはその通りでしょう。

なので裏面に何も貼っていない私に、粒高を貼ってみたらと言ってきた人も過去にいます。

分かりづらいモーションで出されたサーブを連続ミスすると、根性論ではなくそういう解決法もあるねという考えが脳裏をよぎります。

私は粒高使用者について肯定否定を交えた3つの意見を持っています。

1)カットマンが使う粒高は大歓迎

2)粒高ブロックマンの存在には否定的

3)魔球サーブをかわすための一時的粒高利用には理解を示す

片面だけに裏ソフトを貼ったプレースタイルなので、ケース3の空き地の有効活用はあってもいいでしょう。

別に変な意地を張るつもりはありません。

ちょっと試してみてもいいかなと考えています。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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