卓球に段位があるのをご存知でしょうか。
段位というのは柔道や将棋の世界ではよく耳にします。
それが卓球にもあるのです。
正式には段級位制と言いますが、今回はこれについてお話します。
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気になるトップ選手の段位は?
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数多くのタイトルを獲得しているワルドナー選手や張継科選手なら、さぞかしものすごい段位を持ってそうと想像する方もいるでしょう。
ですがそのお二人は段位は持っていません。
卓球の段級位制は日本だけの制度です。
段級位制という名前の通り、「段」だけではなく「級」もあります。
一番下は5級で、そこから1つずつ上がっていくと1級です。
1級の上からは段になります。
段は級とは反対に数字が上がるにつれ上のランクになります。
1段(実際の呼称は初段)から始まり最高段位は10段です。
10段とは一体どんな腕前なのでしょうか。
連続30球エッジになるサーブを出せるとか、打球音を聞いただけで使っているラケットとラバーの銘柄を当てるとか・・・
漫画の世界ではないので、仮にそんなことができても10段はもらえません。
10段になれるのは、オリンピックのシングルスで優勝した人です。
これはとてつもなく難しい段位です。
続く9段は世界選手権のシングルス優勝者に与えられます。
うーん、なんだか9段と10段は逆にしてもいいような感じがします。
オリンピックは4年に一度しか開催されません。
でも現在では各国のエントリー数の制限がきつくなり、中国選手は2名しか参加できないようになっています。
一方、世界選手権の個人戦は、2年に一度とオリンピックよりは頻繁に開催されています。
しかし、オリンピックほど規制は厳しくありません。
そのため、ベスト4が中国選手で占められてしまうことも珍しくない状況です。
世界選手権のほうが実質的な世界一決定戦のように思えます。
さて、ちょっぴりランクを下げて、全日本チャンピオンならどういう段になるかというと、一般の部のシングルスで優勝すれば7段がもらえます。
初段だと何種類もありますが、1例として国体に出場した選手が認定の基準となっています。
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下位のレベル、そしてもう一つの段位
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そんな上のほうの話をしても、自分には縁遠いから関心がないとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
では最も下の5級はどういうレベルなのでしょうか。
20回(1往復を1回とカウント)のラリーを続けることが出来れば、5級がもらえます。
冗談はやめてくださいと思った方がいるかもしれません。
いやこれは本当なのです。
4級だと詳細は割愛しますが、フォアロングで40回、ツッツキで40回ラリーが出来ればもらえます。
最初にご紹介したように、これは日本独自の制度です。
10段は五輪シングルスチャンピオンということなので、日本に該当するメダリストはいらっしゃいません。
それでは10段の保有者はいないのでしょうか。
いいえ、10段の人はちゃんと存在します。
実は卓球の腕前だけではなく、卓球の普及・発展に貢献した人に対しても、その度合いに応じて段位が与えられます。
そういうのは腕前で獲得した「戦績段位」に対し、「名誉段位」と呼ばれています。
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率直な意見
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この段級位制について、私の考えを述べさせていただきます。
(1)
現状ではオリンピックチャンピオンの「戦績段位10段」と、フォア打ちすらほとんど出来なくても卓球に多大な貢献をした人の「名誉段位10段」双方が、同じ10段という状況があり得ます。
段といえばその道の達人に与えられるものという通念があります。
名誉段位は「段位」ではなく、何か別の「賞」の形にしてはどうかと思います。
(2)
同じ段位保有者でも、実力の違いに差があり過ぎます。
男女の差なら一般的に理解できます。
ところが、例えば全日本の一般の部に出場している二十歳の選手と、全日本のマスターズの部の八十歳の選手が、各々の部での戦績が同じなら段位も同じなのです。
(3)
5級や4級は簡単すぎて、わざわざ級を与える意味がありません。
ちなみに級や段をもらうのはタダではありません。
世界選手権のチャンピオンにはもれなく段位が贈呈されるそうですが、多くの場合は審査料や登録料が必要です。
5級なら二千ウン百円、段になると数万円を払うものもあります。
事務作業などに費用がかかることは理解できます。
でも上位の段あたりだと、なんだか数万円でステータスを売買しているような感じもしてしまいます。
この段級位制って、日本の卓球界にプラスになっているのでしょうか。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
段位というのは柔道や将棋の世界ではよく耳にします。
それが卓球にもあるのです。
正式には段級位制と言いますが、今回はこれについてお話します。
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気になるトップ選手の段位は?
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数多くのタイトルを獲得しているワルドナー選手や張継科選手なら、さぞかしものすごい段位を持ってそうと想像する方もいるでしょう。
ですがそのお二人は段位は持っていません。
卓球の段級位制は日本だけの制度です。
段級位制という名前の通り、「段」だけではなく「級」もあります。
一番下は5級で、そこから1つずつ上がっていくと1級です。
1級の上からは段になります。
段は級とは反対に数字が上がるにつれ上のランクになります。
1段(実際の呼称は初段)から始まり最高段位は10段です。
10段とは一体どんな腕前なのでしょうか。
連続30球エッジになるサーブを出せるとか、打球音を聞いただけで使っているラケットとラバーの銘柄を当てるとか・・・
漫画の世界ではないので、仮にそんなことができても10段はもらえません。
10段になれるのは、オリンピックのシングルスで優勝した人です。
これはとてつもなく難しい段位です。
続く9段は世界選手権のシングルス優勝者に与えられます。
うーん、なんだか9段と10段は逆にしてもいいような感じがします。
オリンピックは4年に一度しか開催されません。
でも現在では各国のエントリー数の制限がきつくなり、中国選手は2名しか参加できないようになっています。
一方、世界選手権の個人戦は、2年に一度とオリンピックよりは頻繁に開催されています。
しかし、オリンピックほど規制は厳しくありません。
そのため、ベスト4が中国選手で占められてしまうことも珍しくない状況です。
世界選手権のほうが実質的な世界一決定戦のように思えます。
さて、ちょっぴりランクを下げて、全日本チャンピオンならどういう段になるかというと、一般の部のシングルスで優勝すれば7段がもらえます。
初段だと何種類もありますが、1例として国体に出場した選手が認定の基準となっています。
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下位のレベル、そしてもう一つの段位
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そんな上のほうの話をしても、自分には縁遠いから関心がないとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
では最も下の5級はどういうレベルなのでしょうか。
20回(1往復を1回とカウント)のラリーを続けることが出来れば、5級がもらえます。
冗談はやめてくださいと思った方がいるかもしれません。
いやこれは本当なのです。
4級だと詳細は割愛しますが、フォアロングで40回、ツッツキで40回ラリーが出来ればもらえます。
最初にご紹介したように、これは日本独自の制度です。
10段は五輪シングルスチャンピオンということなので、日本に該当するメダリストはいらっしゃいません。
それでは10段の保有者はいないのでしょうか。
いいえ、10段の人はちゃんと存在します。
実は卓球の腕前だけではなく、卓球の普及・発展に貢献した人に対しても、その度合いに応じて段位が与えられます。
そういうのは腕前で獲得した「戦績段位」に対し、「名誉段位」と呼ばれています。
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率直な意見
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この段級位制について、私の考えを述べさせていただきます。
(1)
現状ではオリンピックチャンピオンの「戦績段位10段」と、フォア打ちすらほとんど出来なくても卓球に多大な貢献をした人の「名誉段位10段」双方が、同じ10段という状況があり得ます。
段といえばその道の達人に与えられるものという通念があります。
名誉段位は「段位」ではなく、何か別の「賞」の形にしてはどうかと思います。
(2)
同じ段位保有者でも、実力の違いに差があり過ぎます。
男女の差なら一般的に理解できます。
ところが、例えば全日本の一般の部に出場している二十歳の選手と、全日本のマスターズの部の八十歳の選手が、各々の部での戦績が同じなら段位も同じなのです。
(3)
5級や4級は簡単すぎて、わざわざ級を与える意味がありません。
ちなみに級や段をもらうのはタダではありません。
世界選手権のチャンピオンにはもれなく段位が贈呈されるそうですが、多くの場合は審査料や登録料が必要です。
5級なら二千ウン百円、段になると数万円を払うものもあります。
事務作業などに費用がかかることは理解できます。
でも上位の段あたりだと、なんだか数万円でステータスを売買しているような感じもしてしまいます。
この段級位制って、日本の卓球界にプラスになっているのでしょうか。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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