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いつものように日頃の運動不足解消のため、某卓球場に出かけました。

ベンチに腰を掛け靴紐を締めていると、ポンと肩を叩かれました。

「よっ」

そこに立っていたのは前回ご紹介したTさんでした。


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 強引な展開
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前回のおさらいをすると、お名前を存じ上げないこの中年男性を私はTさんということにしました。

トランプ大統領のような性格の人物だったからです。

中ペン(中国式ペンホルダー)の裏面打法によるバックハンド攻撃について熱く語り、片面ペンの私に裏面打法を勧めて帰っていきました。

今回私は、Tさんと社交辞令的な短いやり取りだけをして済ませるつもりでした。

ところが「一緒に打とう」と笑顔とともにすごい眼力を放ってきます。

もう完全にロックオンされた状態で断ることはほぼ不可能です。

余談ですが安倍前総理も、よくまあトランプ大統領みたいな人と良い関係を保っていたものだと驚きます。

前総理の性格を考えると、できればあんなタイプの人とはお付き合いしたくなかったはずで、我が国の国益を考え耐えていたのでしょう。

話を元に戻すと、Tさんにある程度お相手いただき→ありがたいお話を傾聴し→ご満足いただいてから、おしまいにしようと気持ちを切り替えていました。

しかし相手は自己主張の塊であるTさんです。

前回お会いした際の最後のメッセージを繰り返してきました。

「なんで今どき時代遅れの片面ペンホルダーなの」

「絶対裏面振るべきだよ」

そして私が裏面打法ができるよう、ご指導をいただく流れになってしまいました。


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 ありがたいお言葉の数々
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Tさんはスペアのラケットを取り出し、私に握らせました。

私は日本式のペンホルダーも中ペンもどちらも使います。

中ペンは典型的なわし掴みグリップで、人差し指を大きく離して握ります。

早速Tさんからこのグリップについて指導が入りました。

中国の王皓選手のようなグリップに変えなさいと矯正させられました。

日本式ペンホルダーを使っていた人が初めて中ペンを握ると、人差し指の先端を親指に触れるよう巻きつけて握りがちになります。

そういう感じで深く握るのが王皓選手のグリップです。

私は昔、裏面打法を試したことがあり、握りの肝となる点は親指を根本まで深く入れることだと感じました。

バックショートがストレートにも打ちやすくなるのです。

ただ人差し指は王皓グリップでも、親指から離してもどちらでも構わないという結論でした。

人差し指を離して握る場合、親指はラケット中心側へ斜めに倒す形になります。

カット打ちなどの時、人差し指を離した握りのほうがブレにくく威力のあるボールが打てるため、私はそちらのほうが良いと考えていたのです。

しかし相手はTさんです。

別に自分の信条と真逆のことを強いられているわけではないので、ここは素直に握り変えました。

Tさんからバックに送ってもらったゆるいツッツキを、順回転を掛けて払っていきます。

私はフリーハンド側の上体を外側に向け半身になった格好で打つきらいがあり、そこに対してツッコミをいただきました。

体を外側に反らすのではなく、胸の前に空間を作るんだというご指導です。

そう言われれば裏面打法を試みていた時に、同じ指摘を受けたことを思い出しました。

Tさんは胸の前にスペースを作った状態で「こう、こう、こう」と3度素振りを披露しました。

3度めの「こう」を言った後、Tさんの口が尖った状態で両手を前に出した格好で静止しました。

私はそれを見て「『今でしょ』のポーズですね」と言ったところ、Tさんから「つまんないよ」と返されてしまいました。


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 指摘自体はかなり的確
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私もご多分に漏れず、YouTubeに上がっているカッコイイ裏面打法動画をイメージしてしまいます。

Tさんはそれに対し釘を差し「最初はへっぽこフリックで、短めのボールを確実に入れることを繰り返すんだ」と、結構まともなアドバイスをしてくれます。

このあたりはご自身の経験が活かされているようです。

ツッツキ打ちばかりしていると駄目なので、普通の裏面ショートもしようと別の練習に変わりました。

なんだか練習順序が逆のように思えます。

フリックは手首を使うので、同じようにスナップを効かせてショートをしていました。

「駄目ーっ」

Tさんはピン球を手で掴んで中断しました。

「ショートは手首をギプスで固定したつもりで打ちなさい」

その後もしばらく熱血指導が続き、最後に「これで片面ペンとはおさらばだね」と言ってTさんは満足気に帰っていきました。

どうするかは私の勝手なのですが、Tさんは絶対そうは考えていないはずです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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