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「優れた選手が必ずしも優れた指導者になれるとは限らない」というのは時々耳にする言葉です。

それは自分がプレーすることと、他人に教えることは重ならない部分があるためでしょう。

戦術やテクニック、トレーニングなどは自分の経験を語ることで、比較的有効なアドバイスになりそうです。

しかし様々な選手の短所や長所を見極め、それぞれの実力をどうすれば最大限に引き出すことができるかの判断は、全く別の能力が要求されます。

優れた選手でさえそうなのですから、巷の卓球場にいる私達ならなおさら難しい問題です。


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 目的は理解してもらうこと
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球拾いをしたりベンチで休憩している時に、台について練習している人を眺めていると、みんなどこかしら変なところがあります。

まっとうな指導員なら、どこをどう直すかがおおよそ分かるのでしょうね。

私も眉間にしわを寄せて、この人にアドバイスするなら何を伝えるべきか考えるときがあります。

改善方法が分かる場合と、なんかヘンテコだけどコメントのしようがない場合があります。

そして自分がアドバイスを受けたり、他人が指導を受けているのをそばで聞いていても、理解できないことがたまにあります。

そんなとき、言い方を変えてくれたり、どのあたりが分からないのか問いかけをしてくれる人ならいいのですが、イライラして大きな声で同じ言葉を繰り返すだけの人もいます。

周囲が騒がしくてアドバイスの内容が聞こえなかったのなら、当然大きめの声で繰り返すべきです。

でもそうじゃないですよね。

相手は話した言葉を明確に聞き取れています。

問題は話した内容が理解できていないのですから、大きな声じゃなく表現方法を変えるなど別の手段を試みなければなりません。

「私がこんなに一所懸命説明しているのに、どうして分かってくれないの」

その怒りだけをぶつけすぎると「よく分からないけど、なんだかこの人怒ってるみたいだから分かったフリをしておこう」とかわしてしまう人も出てきます。


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 相手の気持を汲む
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またイライラすることはないものの、相手との意思疎通を遮断して「もう何も考えなくていいから、言われたとおりこう打ってください」と言う人もいました。

「最初は相手コートに入らなくてもいいから」というアドバイスなら分かりますが「何も考えないで打つ」というのはあり得ません。

もはやアドバイスでもなんでもない、ものすご~く失礼な発言です。

これを言われたときは随分がっかりしました。

別に逆ギレをしたわけでもなく、この件は反面教師にして今後に活かしたいと思います。


悪い部分を指摘される場合も、今の状態を「ここがこんなふうになってしまってる」と、その点だけを強調したり何度も真似たりされれば、本人は軽いさらし者にされた気分になります。

「今よりももう少しこういうフォームで打ってください」といった、うまい誘導をしている指導員の方は参考になります。

コミュニケーションを取る場合、やはり相槌や目線を送り、笑顔でハキハキと話す方は人気がありますね。


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 独りよがりな説明
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初心者の方からは用具についての質問も多く、それをとなりで聞いていると説明の仕方に違いが表れます。

早口でハイテンションラバーから粘着性ラバーに至るまで、細かな分類を一気に説明している人を見かけると、ずっと前に家電量販店で見かけたスタッフを思い出します。

その販売員は年配のご婦人に、テレビの画面解像度や最新の機能をまくし立てるように説明していました。

ご婦人は「さっぱり分かりませんわ」と困惑していました。

ゆっくり近づいて「ずいぶん寒いですね」あたりの声掛けから始まり「このテレビならイケメン俳優の顔がよりくっきり見えますよ」というトークにすべきなのでしょう。

初心者の方なら裏ソフトと表ソフト、そしてせいぜい粒高もあるという程度にして、それ以上込み入った話は必要ありません。

私ならそこで粒高ラバーを試し打ちしてもらい「随分使いにくいラバーだからこれはやめておこう」というマイナスイメージを持ってもらえれば、しめたものと考えています。

初心者の段階から粒高ラバーのブロックマンを目指してほしくないからです。


今回は良い説明や悪い説明をいくつか紹介しました。

こういった事例を通して、やり過ぎや失敗、あるいは文句を言われたりして反省したり恥をかくことがあります。

そうすることで人とのやり取りや距離感など、卓球以外にもいろいろ勉強できているのだと思います。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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