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2023 .05.13
今使っている用具はご自身に最適で満足できている人がいます。

そうではなく他により良い候補はないかと気持ちが揺れ動いている人もいます。

後者でよくあるのは、テナジー05かディグニクス05かといった似通った違いで迷っているケースです。

他方でペンからシェークに変えてみようかといった大きな違いで悩んでいる人もいます。

今回ご紹介するのはその中間くらいのお悩みを持つ方です。


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 両面に極薄ラバー
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Iさんは50代あたりと思われる男性です。

ラケットはカーボンが入った高反発で打球感がしっかり手に伝わるタイプを使っています。

特徴はそのシェークハンドラケットの両面に極薄の裏ソフトラバーを貼っている点です。

スポンジ厚が1.5mm程度の中を貼っている人ならまだ見かけることはありますが、1mmほどの極薄は珍しい存在です。

Iさんはその極薄ラバーを卒業し、両面共に真逆の2mmを超える厚さMAXのふかふかラバーに変えようか迷っていました。

現在は極薄なのであまり回転を掛けたボールではなく、ミート主体の表ソフト的な返球になっています。

それが大きな個性になっていて、パチパチ叩く打ち方は相手にやりづらさを感じさせます。

ただ打っているご本人にとっても諸刃の剣状態となっていて、それが現在の悩みのタネなのです。


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 極薄は打ちづらい
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極薄ラバーは打球時にボールがあまりめり込みません。

従って球持ちが悪く打球のタイミングと打ち方をより厳密に見極める必要があります。

Iさん的には感覚が研ぎ澄まされた状態ではそれが可能で、高速の返球を叩き込むことができるそうです。

そういうゾーンにハマる時と、感覚がいまいちの時があります。

分厚いスポンジのラバーは覚醒していない時にもそれなりに打て、返球率は確かに上がるのです。

極薄ラバーは弾み控えめなので短く止めるレシーブがやりやすい、という先入観を持たれています。

実際にIさんのラケットをお借りして極薄でツッツキをするのと、スポンジ厚MAXのラバーとで比較してみました。

究極のぶつ切りツッツキを送るなら、わずかに極薄のほうが適しているように思えました。

でも回転量の差は著しいわけではありません。

それぞれのラバーでベストな当て方をすれば相応の逆回転を出せます。

分厚いラバーのほうがブレを許容してくれやすく、ダブルスのレシーブで反対側のネット際にポトリと落とし虚を突くツッツキも安定していました。

短いボールを払ったり流したりするのもMAXのほうが確実でした。

極薄にメリットがあるとすれば、そういう場面で鋭くひっぱたく選択肢も取りやすくなることでしょうか。

相手のドライブをブロックすると極薄では表ソフト的ナックルもどきになり、いやらしさは武器となります。

でも返球精度はスポンジにボールが食い込むMAXのほうが、ここでも安定感で上回ります。

そして台から離れたボールについては完全にMAXに軍配が上がります。

台から1.5mの距離を取り極薄ラバーで相手と打ち合うような状況は厳しいです。

キレキレの状態になっていたとしても苦しいと言わざるを得ません。


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 長所を重視した選択
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Iさんは努めて合理的に考えていて、練習ではそうであるものの現実の試合でラリーが何往復も続くことは少ないという理解をしていました。

長所短所を総合的に考えるとIさんとしては釣り合っていたのです。

今それが揺らぎつつあります。

私が初級者に薦める用具は、高反発なラケット+ぐにゃぐにゃと思えるほど柔らかく分厚いテンションラバーの組み合わせです。

それはもろもろのオールマイティーさを考えた上でのことです。

今回のIさんが悩む理由からも、私のお薦め用具は理にかなっていると再度確信を持ちました。

Iさんはいろんな人の意見を聞いて背中を押してもらいたいような感じを受けました。

本当にそれがこの方にとって最適なのか考えました。

私の結論としてはこれまでの極薄を続ける方がいいとお伝えしました。

極薄の選択は長所の維持で、MAXの選択は短所の改善のように見えたからです。

尖った個性があったほうが好ましく、我慢でつなぐドライブよりスマッシュ多めで決めるほうが愛好家ならスッキリできていいという面もあるでしょう。


その後Iさんとはまだお会いしていませんがどうされたんでしょうか。

趣味の卓球なんですから両方やってもいいと思います。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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