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前回に引き続き、アジア大会の模様についてお話します。


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 キラリと光った2人のプレー
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アジア大会の放送権はTBSとNHKが買い取っているためか、いつものようなテレビ東京の生放送はありませんでした。

それでも女子選手を中心にテレビで試合映像を楽しめることができ、まだ卓球競技は恵まれていたと言えます。

その中で私が印象に残ったのは、福原選手とシンガポールのリン・イエ選手のプレーでした。

まず福原選手についてですが、台の前に張り付き、バウンド直後のボールを叩きまくるいつものスタイルは圧巻で、もう半分以上は無茶打ちに見えてしまいました。

彼女の戦型は異質攻撃型などと表現されますが、前陣速攻型が一番しっくりくるのではないでしょうか。

とても個性的なそのプレーは、日本代表の中でも相手が最も厄介に感じる存在です。

バック側の変化系表ソフトで、エグいボールをビシャビシャ送られるのは脅威なのに、それに加え今回はドロップショットも効果的に決まっていました。

あのボールを多用することは、今までそんなになかったはずです。

台の上で2バウンドする激ストップはまさに芸術的でした。


そのストップボールに翻弄されていたのが、リン・イエ選手でした。

彼女のどこに惹かれたかというと、女子選手にはあまり見られない回転量重視のドライブを両ハンドから打っていた点でした。

石川選手にしても平野選手にしても、裏ソフトでそれ相応の回転を掛けたドライブを打っています。

しかしボールをそれほどラバーに食い込まさせず、引っ掛けて回転をかけている感があり、それが男女のドライブの威力の差となっています。

女子の試合はテンポの速いラリーがピシピシ続き、男子の試合は伸びのあるドライブの応酬になるのはそのためです。

リン選手のドライブは、ボールをしっかりラバーに食い込ませて打っていて、「ブインブイン」と音が聞こえてきそうな、回転量の多い男性的なボールを放っていました。

試合の強さならフォン選手がシンガポールのエースですが、リン選手の今後の活躍に期待したくなりました。


ロンドン五輪のあと、シンガポール女子はリ・ジャウェイ選手とワン・ユエグ選手が引退し、チームとしては弱くなったと言われています。

それでも日本とは接戦を演じ、病気か怪我でしょうか二番手のユ・モンユ選手は出てきていませんでした。

それで大接戦だったため、まだまだ手強い相手です。


試合結果を見ると世界選手権でもそうですが、やはり中国が突出して強く、日本を含め数チームがその下にほぼ一線で続くという状況です。

日本男子は銅メダルを獲得したものの、北朝鮮にほとんど負けかけていて、逆転勝利できたことにほっとしました。

男子団体決勝では、中国のシュ・シン選手と韓国のイ・ジョンウ選手という、左利きのペンホルダー同士の勝負というのがありました。

アジア大会ならではの対戦ですが、これももう見納めになるでしょう。


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 良くないことも含めそれが大会の全て
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大きなイベントでは必ず予期せぬトラブルがあり、世間が注目しているためそれがすぐに報道されます。

今回はある競技の日本人選手が残念な行為に及び、がっかりさせられました。

大会の運営も上手く行っていない部分があったそうです。

インチョン市は大規模開発の失敗がたたり、財政的に厳しい状況です。

そういう事情もあり、今大会は開催費用を大幅に抑制するという話を聞いて、私は好意的に感じていました。

近年の国際大会は費用がかかりすぎていて、それを見直す好例になればと思っていたのです。

でも費用の削減は運営にも少なからず影響していたとのことで、複雑な気持ちになります。

関連の有無は定かでありませんが、卓球でも台が水平になっていなかったそうです。

ただこれについて私が驚いたのは、運営がどうのこうのよりも、台を一目見て傾きが分かった福原選手の眼力でした。

ああいう会場では、当然全てが整っているはずという先入観もあるはずなのに、団体戦準決勝の試合前にパッと見て気づいたのは流石です。

台の上にボールを置くと、自然に転がってしまったそうで、私が練習している所なら、全部そうなりそうですが気にする人なんて誰もいません。


トラブルではありませんが、最後に気づいたことをもう一つ。

アジア大会日本選手団のウェアはアシックス製で、ジャケットが白でパンツが黒でした。

表彰台に立つ皆さんの姿を拝見して、少しがっかりしました。

その配色の出で立ちは、足が短く見えてしまうのです。

なぜそんな組み合わせをしたのでしょうか。

アシックスさん、もう少し考えて欲しかったです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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