今回は学生卓球についてお話しします。
※地区により異なる部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。
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◆1部校は特別な存在
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学生リーグは関東、関西、九州など、それぞれの地区ごとに開催されます。
各地区ごとに1部校を頂点に、2部、3部、、、とランクづけされています。
1部と2部以下の間には、プロ野球の1軍と2軍のように大きな違いがあります。
※地区により異なる部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。
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◆1部校は特別な存在
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学生リーグは関東、関西、九州など、それぞれの地区ごとに開催されます。
各地区ごとに1部校を頂点に、2部、3部、、、とランクづけされています。
1部と2部以下の間には、プロ野球の1軍と2軍のように大きな違いがあります。
1部校のコートは会場の中心に設営され、2部以下の大学はその周りにあるコートで試合をします。
1部校が試合をする際は、試合前に各校の選手全員が校歌を斉唱します。
ベンチ入りできない補欠選手も2階観客席で起立して斉唱します。
校歌を歌うときは静粛にしておく必要があるので、周りで先に試合をしている2部以下の大学は、きりの良い所で試合を中断させられます。
何度か会場に足を運び、このおごそかな儀式を見ていると、歌詞の一部まで覚えてしまいます。
最初におやっと思ったのは、日本の大学なのになぜか英語の歌詞の校歌があるということでした。
この英語の歌詞というのは、Jポップでサビの部分に”♪I love you.”などのフレーズを部分挿入したようなものではなく、全てが英語で書かれています。
プログラムの冊子にはその歌詞が載っていて、しかも古語(*)が使われてたりする校歌もあります。
(*)例:”Thy(ザイ)”二人称の所有格「なんじの」という意味だ
そうです。むずかし過ぎます・・・
関東や関西の1部校は規模の大きい私立大学であることが多く、しかも積極的に強い選手を集めていますので、完全な卓球の専門集団です。
あまりに優秀な選手がいる場合、海外の試合などにお呼びがかかり、リーグ戦に出れず優勝を逃してしまうという皮肉なこともあります。
そこまでのレベルではなくても夜間部の学生で、昼間は卓球、夜は勉強という選手や、卒業後も実業団リーグで競技を続ける予定の選手など、プロ並みの人もいます。
こういう選手には、メーカから無料で用具が支給されたり、製品開発のモニターとしてまだ市場に出ていない用具を試してもらうようなことがあります。
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◆下部校の苦悩
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下位のリーグになると、一般的な学生が中心のメンバーになります。
リーグ戦など重要な試合の時は授業を欠席することになりますが、それ以外は学業に専念しています。
リーグ戦と企業訪問や教育実習など重要なことがバッティングした場合、主力選手がやむを得ず出場できなくなり降格することがあります。
以前、別の話の中で規模の小さい大学では、初心者の部員がいる場合もあることに触れました。
卓球は比較的競技人口が多いスポーツなので、どの大学も経験者はそれなりに存在するはずですが、厳しい体育会系を敬遠してサークルに流れる人、アルバイトに専念する人など色んな理由で人が集まらない
ことがあります。
4年生が卒業し、次の新入生を当てにして練習を続けていましたが、結局部員が集まらずリーグ戦に出ることができなかった大学もあります。
それは大変悲しいことで、なんとしてもとにかく試合に出る資格を満たすため、やる気さえあれば初心者でも歓迎しているところは少なくないと思います。
逆に1部リーグの有名な強豪校では、いくらやる気があっても相当の実力がないと事実上部活を続けていくことができません。
通常の練習でも本当のレギュラー陣とそれ以外では別メニューで練習していることが多いですし、プロ並みの集団の中にあまりに実力が違いすぎる者がいることはできません。
実力がなくても部員として続けられる可能性があるもう一つのケースは、規模の大きい国立大学です。
部員の数は比較的多く、実力差が正規分布の形で分散した状態の集団であることが普通ですので、初級レベルの部員もそれなりに存在します。
ただしこの場合も、実力差で練習が分離されることが多いのは仕方のないことです。
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◆消化試合にも意味がある
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リーグ戦も終盤になり、昇格も降格もなく既に残留が確定した段階で、準レギュラーの選手が起用されることがあります。
これは以下のどちらかに該当します。
1.年長者の功労に報いる
これまでみんなと共に頑張ってきましたが、引退まで1度もリーグ戦に出ることがなかった選手に最後に出てもらうというケース
2.次を担う選手
ここ一番では少し使いにくいが、次回は主力になりそうな選手に経験を積ませるケース
ただし、上記1、2のどちらの場合も、相手に失礼の無いよう最低限の力はある選手を出します。
また、その試合の結果により同じリーグ内の入れ替え戦に影響を与えてしまう場合はベストメンバーで臨みます。
リーグ戦は一番大切な試合であり、それに出場できたことは選手として特別な意味があります。
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◆サークルと体育会系の部の違い
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体育会系の部では各人が強くなることに力点が置かれ、いかに試合で勝つかが重要になります。
従って、戦型や戦法も単なる自分の好みで決めることはできません。
例えば初心者で入ってきた者でカットマンが希望でも、体格や体力などいろんなことを考えてペンの表ソフトにさせるといった場合があります。
また、部員の戦型のバランスを考えて、戦型を変更させることがあります。
日々の練習もしっかりと目標を立てる、練習メニューを考える、日誌を付けてみんなで反省会を開くなど、きちんと管理して進めます。
そして大学生は夏休みが2ヶ月などと言われたりしますが、体育会系の人は1週間ぐらいしかないと思います。
サークルもある程度までは同じ厳しさを持って臨んでいる所があると思いますが、ランニングや準備運動などが適当だったり、目標や練習に対し管理することはあまりないことがあります。
そのため、体育会系の部にいたということが、就職活動に有利に働くことがあります。
選考で同一評価の2人がいて1人が体育会系の部に所属していた場合、厳しい練習や集団活動に対する耐性や適性があると判断される可能性はあります。
私はこの話を先輩から聞かされ、就職活動ではあまり冴えなかったゼミの内容は抑える一方、部活を積極的にアピールしました。
ただ、入社できた会社の面接では、部活のことについて全く話す機会がありませんでした。
万年補欠だったので、変なところを突っ込まれなかったのが良かったと好意的に解釈したいと思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
1部校が試合をする際は、試合前に各校の選手全員が校歌を斉唱します。
ベンチ入りできない補欠選手も2階観客席で起立して斉唱します。
校歌を歌うときは静粛にしておく必要があるので、周りで先に試合をしている2部以下の大学は、きりの良い所で試合を中断させられます。
何度か会場に足を運び、このおごそかな儀式を見ていると、歌詞の一部まで覚えてしまいます。
最初におやっと思ったのは、日本の大学なのになぜか英語の歌詞の校歌があるということでした。
この英語の歌詞というのは、Jポップでサビの部分に”♪I love you.”などのフレーズを部分挿入したようなものではなく、全てが英語で書かれています。
プログラムの冊子にはその歌詞が載っていて、しかも古語(*)が使われてたりする校歌もあります。
(*)例:”Thy(ザイ)”二人称の所有格「なんじの」という意味だ
そうです。むずかし過ぎます・・・
関東や関西の1部校は規模の大きい私立大学であることが多く、しかも積極的に強い選手を集めていますので、完全な卓球の専門集団です。
あまりに優秀な選手がいる場合、海外の試合などにお呼びがかかり、リーグ戦に出れず優勝を逃してしまうという皮肉なこともあります。
そこまでのレベルではなくても夜間部の学生で、昼間は卓球、夜は勉強という選手や、卒業後も実業団リーグで競技を続ける予定の選手など、プロ並みの人もいます。
こういう選手には、メーカから無料で用具が支給されたり、製品開発のモニターとしてまだ市場に出ていない用具を試してもらうようなことがあります。
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◆下部校の苦悩
──────────────────
下位のリーグになると、一般的な学生が中心のメンバーになります。
リーグ戦など重要な試合の時は授業を欠席することになりますが、それ以外は学業に専念しています。
リーグ戦と企業訪問や教育実習など重要なことがバッティングした場合、主力選手がやむを得ず出場できなくなり降格することがあります。
以前、別の話の中で規模の小さい大学では、初心者の部員がいる場合もあることに触れました。
卓球は比較的競技人口が多いスポーツなので、どの大学も経験者はそれなりに存在するはずですが、厳しい体育会系を敬遠してサークルに流れる人、アルバイトに専念する人など色んな理由で人が集まらない
ことがあります。
4年生が卒業し、次の新入生を当てにして練習を続けていましたが、結局部員が集まらずリーグ戦に出ることができなかった大学もあります。
それは大変悲しいことで、なんとしてもとにかく試合に出る資格を満たすため、やる気さえあれば初心者でも歓迎しているところは少なくないと思います。
逆に1部リーグの有名な強豪校では、いくらやる気があっても相当の実力がないと事実上部活を続けていくことができません。
通常の練習でも本当のレギュラー陣とそれ以外では別メニューで練習していることが多いですし、プロ並みの集団の中にあまりに実力が違いすぎる者がいることはできません。
実力がなくても部員として続けられる可能性があるもう一つのケースは、規模の大きい国立大学です。
部員の数は比較的多く、実力差が正規分布の形で分散した状態の集団であることが普通ですので、初級レベルの部員もそれなりに存在します。
ただしこの場合も、実力差で練習が分離されることが多いのは仕方のないことです。
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◆消化試合にも意味がある
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リーグ戦も終盤になり、昇格も降格もなく既に残留が確定した段階で、準レギュラーの選手が起用されることがあります。
これは以下のどちらかに該当します。
1.年長者の功労に報いる
これまでみんなと共に頑張ってきましたが、引退まで1度もリーグ戦に出ることがなかった選手に最後に出てもらうというケース
2.次を担う選手
ここ一番では少し使いにくいが、次回は主力になりそうな選手に経験を積ませるケース
ただし、上記1、2のどちらの場合も、相手に失礼の無いよう最低限の力はある選手を出します。
また、その試合の結果により同じリーグ内の入れ替え戦に影響を与えてしまう場合はベストメンバーで臨みます。
リーグ戦は一番大切な試合であり、それに出場できたことは選手として特別な意味があります。
──────────────────
◆サークルと体育会系の部の違い
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体育会系の部では各人が強くなることに力点が置かれ、いかに試合で勝つかが重要になります。
従って、戦型や戦法も単なる自分の好みで決めることはできません。
例えば初心者で入ってきた者でカットマンが希望でも、体格や体力などいろんなことを考えてペンの表ソフトにさせるといった場合があります。
また、部員の戦型のバランスを考えて、戦型を変更させることがあります。
日々の練習もしっかりと目標を立てる、練習メニューを考える、日誌を付けてみんなで反省会を開くなど、きちんと管理して進めます。
そして大学生は夏休みが2ヶ月などと言われたりしますが、体育会系の人は1週間ぐらいしかないと思います。
サークルもある程度までは同じ厳しさを持って臨んでいる所があると思いますが、ランニングや準備運動などが適当だったり、目標や練習に対し管理することはあまりないことがあります。
そのため、体育会系の部にいたということが、就職活動に有利に働くことがあります。
選考で同一評価の2人がいて1人が体育会系の部に所属していた場合、厳しい練習や集団活動に対する耐性や適性があると判断される可能性はあります。
私はこの話を先輩から聞かされ、就職活動ではあまり冴えなかったゼミの内容は抑える一方、部活を積極的にアピールしました。
ただ、入社できた会社の面接では、部活のことについて全く話す機会がありませんでした。
万年補欠だったので、変なところを突っ込まれなかったのが良かったと好意的に解釈したいと思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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