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ようやく卓球場も再開となりほっとしています。

さて今回は、過去に練習後の喫茶店で話していた雑談ネタをご紹介いたします。


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 世界を制したペン表
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中国はかつて、ペンホルダーに表ソフトを貼ったスタイルで世界を席巻していました。

そうなった理由について、いろいろな意見が交わされました。

まず有力な説と推測される当時のルールと用具事情が挙げられました。

小さくてスピードが出る38mmのセルロイドボールでは、バウンド直後を捉え速いテンポでボールをさばくのが有効な戦術だったという考えです。

それを効果的に実現するため台の近くを死守し、ラバーは回転をそれほど重視しない表ソフトを選択しました。

ラケットがペンだったのは、両ハンド攻撃ができるシェークの優位点よりもペンならではのフォア強打のほうを重視し、バック側は鉄壁のショートで対処という考えだったのだろうという解釈です。

これに対し居合わせたメンバーから様々な意見が出され、次のような結論となりました。

1)ペン表はもともと最強のスタイルではなかった。

2)ただし昔はルール上恵まれた部分があった。

3)ペン表の選手が多数存在し、その中に超人が存在した。


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 1)~3)の詳細
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1)ペン表はもともと最強のスタイルではなかった。

参加者が口々に語ったのは「よくあれで世界の頂点まで勝ち上がれたね」という意見でした。

市民大会レベルなら分かりますが、トップ選手のドライブを連打されると表ソフトで返しきることは不可能です。

中国の前陣速攻が全盛だった時代でも、最強のプレースタイルはやはり両ハンドドライブを打つ選手だろうということでした。


2)ただし昔はルール上恵まれた部分があった。

一回り小さい38mmボールはスピードが出るので、ラリーの本数は今より少なかったという事実があります。

これは表ソフトに有利な状況であり、ある程度という条件付きではありますが、今よりは勝ちやすかったことは認めるべきという認識に至りました。


3)ペン表の選手が多数存在し、その中に超人が存在した。

ペン表は最強スタイルではなかったとしても中国は突出した人口を持ち、卓球が事実上の国技となっていました。

従って他国との競技者数の違いは、人口の差をさらに上回った開きがありました。

そして社会主義国家の育成システムもあって、選りすぐりの選手のさらに上澄み液的存在である、傑出したメンバーが国家の代表となります。

ものすごい数のペン表の選手がいれば、その中にダントツぶっちぎりの強さを持つペン表も存在します。

そういう代表選手だったからこそ、ペン表で世界トップが取れたのではという推測となりました。


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 敬遠される理由
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議論の最中に出た意見として、ネットに上がっている動画では壁のようなブロックショートや鬼カウンターがあり、すごいねと評していました。

それらは確かに実際にあったプレーですが、YouTubeの動画には特定の選手や戦型のベストショット集が沢山あります。

その手のものばかりを見ていると認識がおかしくなるので、気をつけようと突っ込みが入りました。

パチパチ叩いて決めにいくことが多いスタイルです。

ベストショットなので当然ながら鮮やかに抜けていったスマッシュだけを見せ、打ち損じはカットしています。

ときにはある試合の最初から最後まで通して見るべきです。

例えば片面だけにラバーを貼った古典的なペン表の選手が、両ハンド攻撃の選手と対戦し、バック側にボールを集められてしまう定石のような動画もあります。

バック対バックのラリーでは片面ペンはどうしても不利です。

基本はそのラリーでバック側に釘付けにしておけば、ペンの選手のほうが先にミスります。

時折フォアにも振り、フォアに飛びつかせたあとバックを潰します。

同じく片面だけにラバーを貼ったペンドラの私が見ても勉強になります。

卓球に限らず情報収集の段階では偏りなく行い、次にそれらを元にじっくり考えることが重要ですね。


戦型の画一化が加速していて、そろそろ全日本選手権でもペン表の選手が途絶えつつあります。

裏面にラバーを貼れば弱点を補うことは可能で、そういった新しいタイプのペン表選手が存続してくれればと願っています。

ただ現在は幼い頃から卓球を始める子供が増えています。

その場合ラケットはどうしてもシェークになってしまいます。

小さな子供がペンのラケットを握るのは困難なのです。

中学の部活から卓球を始める人もいるので、その中からペン表を選択する人が増えてくれればと思います。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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