試合ではルールに適合した用具を使います。
各地で開催される市民大会レベルであれば、選手が使用するラケットをじっくり検査することはまずありません。
これは市民の交流の場に疑いの目を向けるのは好ましくなく、性善説の立場に立とうという考えです。
というのは冗談で、検査するのは手間がかかりますし、万が一不正な用具を使われたとしても、ナントカ市民大会程度なら影響がないというのが現実的な理由です。
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多岐にわたる検査
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一方、トップクラスの選手が参加する大会では、いろいろなチェックが行われます。
テレビの中継番組を見ていると、審判が物差しを当ててラケットを調べているシーンが記憶に残っている方もいると思います。
あれは主にラバーについての検査を行なっていて、厚さ、大きさ、表面の
状態などをを確認しています。
たまに指摘されるのが厚すぎるラバーです。
各地で開催される市民大会レベルであれば、選手が使用するラケットをじっくり検査することはまずありません。
これは市民の交流の場に疑いの目を向けるのは好ましくなく、性善説の立場に立とうという考えです。
というのは冗談で、検査するのは手間がかかりますし、万が一不正な用具を使われたとしても、ナントカ市民大会程度なら影響がないというのが現実的な理由です。
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多岐にわたる検査
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一方、トップクラスの選手が参加する大会では、いろいろなチェックが行われます。
テレビの中継番組を見ていると、審判が物差しを当ててラケットを調べているシーンが記憶に残っている方もいると思います。
あれは主にラバーについての検査を行なっていて、厚さ、大きさ、表面の
状態などをを確認しています。
たまに指摘されるのが厚すぎるラバーです。
ラバーの厚さは最大4mmまでと決められています。
証拠がなくて断定できないケースが多いようですが、弾みをアップさせるために何かをこっそり塗りこんでいたりすると、スポンジが膨張して4mmを超えることがあります。
選手によってはラケットの周囲にサイドテープを巻いている人がいます。
そしてそのテープの幅は、ラケットの板の厚さと同じものを巻いている人や、ラバーの縁の部分も覆う厚さのものを巻いている人もいます。
後者の場合、ラバーの厚さを検査するのにサイドテープが邪魔になります。
チェックする人はどうするかというと、容赦なくテープをベリっとはがします。
ただし、ラケットにぐるりと巻いたテープをすべてはがし取ってしまうのではなく、グリップに近い部分の両端近くをめくるだけに留めることが多いようです。
この検査に慣れてきて気配りができる選手だと、審判にラケットを渡す前にあらかじめテープの両端をはがした状態で渡す選手もいます。
中にはテープをはがされることに神経質な選手がいて、試合中にサイドテープがはがれてきていないか何度も指で触って確認していることもあります。
ラバーの大きさについては、ラケットとほぼ同じサイズに切るように定められています。
大きすぎても小さすぎてもいけません。
注意されることはめったにありませんが、わずかにラケットよりも大きく切っている人が多いので、はみ出しすぎの部分を切るように指示されることがまれにあります。
同時に確認される他の項目としては、表面が平らであるかどうかや、ゴムシートの下のスポンジの色が透けたり、1枚ラバーの場合ならラケット表面の印刷が透けるなどして均一な赤や黒に見えない場合はないかも検査されます。
光を反射しすぎるラバーは使用できませんが、たまに中国の黒い粘着ラバーだとかなり表面がテカっているものを見かけることがあり、大丈夫なのかと思うことがあります。
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ペンホルダーの裏面
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ラバー以外にも光を反射して少々気になるのが、ペンホルダー裏面の塗装です。
片面ペンの競技者人口は減っていますし、日ペンなら裏面にあらかじめ塗装されたラケットが多いので、迷惑なラケットにお目にかかる頻度は高くありません。
裏面が木材本来の色のままの状態は、白木(しらき)と呼ばれています。
白木の部分に貼るシートが販売されていて、それらはつや消しの赤か黒になっています。
節約のためか、そういうシートを貼らず自分で塗装する選手がいます。
その際つや消し塗料を使用せず、その辺のマジックペンで塗りつぶすとテカテカの状態になることがあります。
ルールでは裏面白木は禁止されていますが、そんな光を反射するラケットなら違反状態の白木のほうがまだマシとも言えます。
ちなみに私は、裏面白木は認めてもいいのではないかと考えています。
最近はペンの裏面にラバーを貼っている選手が多くなっています。
その中で、裏面の指が当たる部分に滑り止めの加工を施している選手がいます。
王皓選手は紙やすりで表面を削っているそうで、韓陽選手も雑誌で紹介された写真を見ると加工をしているように見えます。
厳密にはこのようなラバーは後加工(あとかこう)したものとなりルール違反ですが、反転するなどして加工部分で打球しない限りは、審判長の許可があれば認めてもらえるようです。
こういった弾力的な考え方は、現実に即していて良いと思います。
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専用装置による検査
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これ以外にも専用の機器を使ってラケットを検査することがあります。
このあたりになると私は疏いのですが、選手がラケットを封筒のような袋に入れて提出する場合がこれに該当するようです。
ラケットを密閉された装置に一定時間入れ、気圧の変化を測ります。
弾みを増すためこっそりスポンジに塗るものとして、気化してスポンジの気泡を押し広げる物質がよく使われます。
気化する物質が含まれると、密閉した装置の内部では気圧の上昇が検出されるという仕組みのようです。
ラバーを製造するメーカは、スポンジとゴムシートを接着するために特定の溶剤を使っています。
ちょっと理不尽なのですが、その溶剤に含まれる特定の成分が検出されると失格になってしまいます。
わずかながら溶剤が残っていることがあり、世界選手権で日本のある選手が過去に失格になったことがありました。
そのためトップ選手は試合で使うラバーは、袋を開封し溶剤が消えるまで3日程度室内の空気にさらしています。
ひょっとすると、マニキュアやネイルアートが好きな選手は、試合直前は念のためお手入れを中断しているのかもしれませんね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
証拠がなくて断定できないケースが多いようですが、弾みをアップさせるために何かをこっそり塗りこんでいたりすると、スポンジが膨張して4mmを超えることがあります。
選手によってはラケットの周囲にサイドテープを巻いている人がいます。
そしてそのテープの幅は、ラケットの板の厚さと同じものを巻いている人や、ラバーの縁の部分も覆う厚さのものを巻いている人もいます。
後者の場合、ラバーの厚さを検査するのにサイドテープが邪魔になります。
チェックする人はどうするかというと、容赦なくテープをベリっとはがします。
ただし、ラケットにぐるりと巻いたテープをすべてはがし取ってしまうのではなく、グリップに近い部分の両端近くをめくるだけに留めることが多いようです。
この検査に慣れてきて気配りができる選手だと、審判にラケットを渡す前にあらかじめテープの両端をはがした状態で渡す選手もいます。
中にはテープをはがされることに神経質な選手がいて、試合中にサイドテープがはがれてきていないか何度も指で触って確認していることもあります。
ラバーの大きさについては、ラケットとほぼ同じサイズに切るように定められています。
大きすぎても小さすぎてもいけません。
注意されることはめったにありませんが、わずかにラケットよりも大きく切っている人が多いので、はみ出しすぎの部分を切るように指示されることがまれにあります。
同時に確認される他の項目としては、表面が平らであるかどうかや、ゴムシートの下のスポンジの色が透けたり、1枚ラバーの場合ならラケット表面の印刷が透けるなどして均一な赤や黒に見えない場合はないかも検査されます。
光を反射しすぎるラバーは使用できませんが、たまに中国の黒い粘着ラバーだとかなり表面がテカっているものを見かけることがあり、大丈夫なのかと思うことがあります。
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ペンホルダーの裏面
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ラバー以外にも光を反射して少々気になるのが、ペンホルダー裏面の塗装です。
片面ペンの競技者人口は減っていますし、日ペンなら裏面にあらかじめ塗装されたラケットが多いので、迷惑なラケットにお目にかかる頻度は高くありません。
裏面が木材本来の色のままの状態は、白木(しらき)と呼ばれています。
白木の部分に貼るシートが販売されていて、それらはつや消しの赤か黒になっています。
節約のためか、そういうシートを貼らず自分で塗装する選手がいます。
その際つや消し塗料を使用せず、その辺のマジックペンで塗りつぶすとテカテカの状態になることがあります。
ルールでは裏面白木は禁止されていますが、そんな光を反射するラケットなら違反状態の白木のほうがまだマシとも言えます。
ちなみに私は、裏面白木は認めてもいいのではないかと考えています。
最近はペンの裏面にラバーを貼っている選手が多くなっています。
その中で、裏面の指が当たる部分に滑り止めの加工を施している選手がいます。
王皓選手は紙やすりで表面を削っているそうで、韓陽選手も雑誌で紹介された写真を見ると加工をしているように見えます。
厳密にはこのようなラバーは後加工(あとかこう)したものとなりルール違反ですが、反転するなどして加工部分で打球しない限りは、審判長の許可があれば認めてもらえるようです。
こういった弾力的な考え方は、現実に即していて良いと思います。
──────────────────────
専用装置による検査
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これ以外にも専用の機器を使ってラケットを検査することがあります。
このあたりになると私は疏いのですが、選手がラケットを封筒のような袋に入れて提出する場合がこれに該当するようです。
ラケットを密閉された装置に一定時間入れ、気圧の変化を測ります。
弾みを増すためこっそりスポンジに塗るものとして、気化してスポンジの気泡を押し広げる物質がよく使われます。
気化する物質が含まれると、密閉した装置の内部では気圧の上昇が検出されるという仕組みのようです。
ラバーを製造するメーカは、スポンジとゴムシートを接着するために特定の溶剤を使っています。
ちょっと理不尽なのですが、その溶剤に含まれる特定の成分が検出されると失格になってしまいます。
わずかながら溶剤が残っていることがあり、世界選手権で日本のある選手が過去に失格になったことがありました。
そのためトップ選手は試合で使うラバーは、袋を開封し溶剤が消えるまで3日程度室内の空気にさらしています。
ひょっとすると、マニキュアやネイルアートが好きな選手は、試合直前は念のためお手入れを中断しているのかもしれませんね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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