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ワクチンの接種が始まり、一部地域での緊急事態宣言は解除となりました。

徐々に明るい兆しが見えてきたものの、首都圏は宣言解除が2週間さらに延長されました。

東京オリンピックは果たしてどうなるのでしょうか。


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 混沌とした状況
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世間には様々な意見があります。

最も悲観的なのは開催中止です。

これほど長く計り知れないほどのダメージをもたらした新型コロナウイルスの影響を考えると、今の時点では妥当なものの1つであることは否めません。

というよりも、かなり現実味を帯びた有力な選択肢と考えるのが適切です。

この案に付加される提案として、開催地が未定になっている2032年のオリンピックを東京で行ってはどうかというのがあります。

今回は我慢して11年後に仕切り直しをするという考えです。

もし今年の開催が中止になったなら、現実味のある提案だと思います。

五輪開催のための莫大な費用に耐えられず、立候補をする都市は以前と比べとても少なくなってしまっているためです。

他の案としてはもう1年延期という意見もあるそうです。

しかしそれだと北京で行われる冬のオリンピックと同じ年になり、IOC(国際オリンピック委員会)は流石に認めないと思います。

開催地を1回分ずつずらしてはどうかという案も出ています。

2024年はパリ、2028年はロサンゼルスに決まっています。

これを改め、2024年東京、2028年パリ、2032年ロスに変更するという案です。

まあこれらは今年の開催が中止と決断してから具体的に決めることでしょう。

状況が極めて流動的な今、並行して綿密に考えることは困難だからです。


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今回は飛び入り参加自由の卓球場で出会った競技者についてお話しします。

いつものようにお名前は不明です。

少々癖のあるプレースタイルで、そういう人を取り上げたほうが面白いはずだと考えています。

それでいてどこか似たタイプの方に、みなさんもいつか遭遇する可能性がありそうで、参考にしていただければ幸いです。


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 打撃戦志向の人
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40代と思われる女性で、お顔立ちに某自治体のトップの方の雰囲気がわずかに感じられたため、小池さんんということにしておきます。

小池さんはニッタクの単板シェーク雅(みやび)を使っていて、両面にアームストロング社の光という裏ソフトラバーを貼っています。

単板シェークはあまり見かけませんが、小池さんの希少性がさらに高くなっている理由に、両面に貼っているラバーが極薄だという点が挙げられます。

従ってカキンカキンという高めの打球音で、ドライブはあまり掛けずミート打ちのボールが中心です。

サーブは横回転の割合が多く、それも横下はあまり出さず、真横や横上を多用します。

その次に多いのはロングサーブです。

その手のサーブを出すと、必然的に相手もレシーブから打ち込んでいかざるを得ません。

小池さんはその返球を両ハンドで待ちカウンターをお見舞いする戦法です。

松平健太選手がしゃがみこみサーブを出す時のパターンがそうで、ツッツキでは返せないサーブを出し、アグレッシブに攻める意思が伝わってきます。

普通の人は下回転系のサーブを主体に出します。

小池さんはそれを速いテンポでツッツいて返し、相手に打たせてカウンターという流れです。

女性に時々見られるツッツキ合いは嫌っていて、すぐにフォアに長いブチ切れを送り、打たせるように仕向けます。

ラリーの展開は一発強打で決めにいくのと、速いテンポで振り回すのが半々の作戦です。

台から絶対離れず、バウンド直後をペシペシペシと捉え、思いっきり前陣速攻です。

プレー中はマスクを外していてもOKの卓球場ですが、小池さんは常にフェイスシールドを着用されていたのが印象に残っています。


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今回は身体能力が異なる競技者のことを考えたり、中高年世代の人に見られる思考についてお話ししたいと思います。


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 多様な競技者がいる
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私はこれまでバルサを使ったラケットを好意的に紹介してきました。

それは軽さを優先させる考えでそう言っており、バルサの打球感には目をつぶっている部分があることも事実です。

練習場などでいろいろな方とお話をする中で、バルサのラケットはご自身の選択肢にはない方、さらには酷評する方もいらっしゃいました。

一部のバルサラケットは不要な振動が混ざったような、しっくりこない打球感のものもあります。

従ってその種の指摘には私も同意できます。

しかし軽さ自体を否定する人には、どうかなのかと思う場合があります。

物理法則から言って重いラケットを使えば威力のあるボールを打つことができます。

純粋にそういう理論から、ご自身は軽いラケットは使わないと言うのなら理解できます。

でもそれを全ての競技者にまで広げる場合は正しくないと思います。

巷には非力な初級レベルの方が多数いて、その方々を完全に無視した意見になってしまうためです。

総重量が190gを超えるようなヘビーラケットが、そういった競技層の方に向いているとはとても思えません。


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世の中の様々な分野には、専門家と呼ばれる知識の塊のような方がいらっしゃいます。

専門家は系統立てた理解をされているエキスパートというイメージがあります。

一方、博識ではあるものの、どこか癖の強い側面を持つ人はオタクと呼ばれたりします。


卓球の世界でもオタクさんはいらっしゃいますが、比率が高そうなのは用具オタクではないでしょうか。

昨年末に練習場でお話をした方もそんなオタクさんの一人でした。

あばれる君に少し似ていたので、お名前はABAさんということにしておきます。


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 見えないグラスファイバー
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一口に卓球用具オタクと言ってもその分野は広く、ABAさんが得意とするカテゴリーはラケットの素材についてでした。

アユース、桐、ヒノキ、といった木材や、カーボン、グラスファイバー、などの特殊素材について語りだすと止まりません。


この日はABAさんにとって予想外の出来事が立て続けに起きました。

たまたま練習場に来ていた方のラケット2本が、自分の理解とは異なっていたためです。

最初の1本はTSPのブラックバルサです。

中心に分厚いバルサが使われていて、それを両面から黒に着色した薄い表面材でサンドイッチした構造です。

メーカーの説明では、木材3枚+グラスファイバー2枚、となっています。

つまり黒い表面材とバルサの間にグラスファイバーが挟まれているはずなのです。

ところがいくら目を凝らしてもグラスファイバーらしきものは見えません。

他社製のグラスファイバーを使っている別のラケットでは、グラスファイバーの部分が薄っすらと線になって確認できます。

カーボンほどではないのですが、少し黒みがかった線が貼り合わせた板の境界に存在するのです。

ブラックバルサの場合、当然メーカーが虚偽の素材を記載しているわけではなく、上板が黒く着色されているため、肉眼での識別が困難なのでしょう。

私はそのように理解したのですが、ABAさんは「うーん」と唸りながら険しい表情のままでした。

そろそろ所有者にラケットを返してあげたいので「別の方のラケットを見せてもらいましょうよ」と誘導しました。


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今回は卓球に関連する用語についてお話ししてみたいと思います。

練習やメディアでの報道、あるいはネットなどを通じて様々な用語を耳にし、その意味するものを私達は理解しています。

それらについて最初に違和感を感じるものもありますし、そうでなくてもある時ふと疑問を抱くものもあります。


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 YGサーブ
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代表的なものとして一例を挙げると「YGサーブ」がそうでしょう。

フォアハンドから出すサーブで、脇腹に向かってスイングしたラケットを反対側に振り戻す動作で出す横回転が入ったサーブです。

YGサーブのYGとは、ヤングジェネレーションの略です。

若年層が使うサーブという意味ではなく、それまでになかった新世代のサーブという意味だったようです。

一時期「ヤンジェネ」と呼ぶ人もいたそうです。

現在ヤンジェネと呼んでしまうと、その寒い響きから80%くらいの確率で笑われそうです。

YGは要するに「新製品」と言っているのと同じで、時間が経てば適切でなくなります。

ところがいつまで経ってもYGサーブのまま今に至っています。

これこれは変だよねと指摘をする際、対案も出すべきだとよく言われます。

練習仲間のある人は、YGはそのままで意味を変えてはどうかということでした。

Y(横)G(切り)サーブとのことで、周囲の人全員から0.3秒でダメ出しを喰らいました。

いくつかの案が出ましたが、振り子サーブが妥当かなという結論に至りました。

このYGサーブは使う人が増えてきたため具体名がつけられたようです。

ずっと前にほぼ同じサーブを出していた人は存在していました。

例えば2度の男子シングルス世界チャンピオンに輝いた中国の郭躍華選手は、1970年代にこのサーブを使っていて動画でも確認できます。


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卓球は使用する用具によりプレースタイルが決まることが多いスポーツです。

Aさんは裏ソフトだからこんな感じのプレー、Bさんは表ソフトなのでそれとは違うあんな感じの~、といった予想や確認をしながらみなさんも試合や練習をされているはずです。

今回はそういう定説から外れるケースについてお話ししたいと思います。


少し前の全日本選手権で解説者の宮崎さんが、伊藤美誠選手のプレーについて述べていたコメントが記憶に残っています。

伊藤選手はフォアが裏ソフト、バックが表ソフトです。

必殺技の「美誠パンチ」は、フォアの裏ソフトで引っ叩く不意打ちスマッシュです。

バックスイングをほとんど取らないその打法は、表ソフト的であると言えます。

そして表ソフトを貼ったバックからは、回転量を必要とするチキータを放ちます。

フォアもバックも卓球プレーヤーの一般常識を覆す打ち方を取り入れているという分析は、とても興味深い解説でした。

そういったプレーをする選手は他に誰がいるか考えてみました。


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世の中は大変な状況となっていますが、健康に留意してこの危機を乗り越えていこうではありませんか。

今回は来月の全日本選手権についてお話ししたいと思います。


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 大会概要
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開催期間は2021年1月11日(月)~17日(日)の7日間で、会場は前回と同じ丸善インテックスアリーナ大阪です。

大阪の人はこの会場名だとピンとこないかもしれませんので、プールが隣りにあって建物が地下に埋まっている、大阪市中央体育館であると言えばわかりやすいでしょうか。

今回の全日本はこういうご時世のため、従来とは大幅に異なる異例の開催となります。

競技種目はシングルスだけでダブルスは行われません。

これは選手同士が接近する種目を避けるためです。

今年の秋以降に行われた試合を振り返ると、Tリーグではダブルスはありましたが、日本リーグや学生リーグはシングルスのみでした。

ジュニアと一般の部の2つの区分けはそのまま維持した形式で実施されます。

そして仕方がありませんが当然ながらリモートマッチ、つまり観客は入れない状態で行われます。

あの立派な会場に観戦する人が入れない状態というのは、なんとも残念なことです。

その特殊な状況を逆手に取って、客席に気の利いた演出なんかがあってもよいかなと考えています。

全国の卓球ファンのために、いつものNHKのテレビ放送だけでなくライブ配信もされるそうです。

どこかの空き時間に視聴できる機会があれば、私も見てみたいと思っています。


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みなさんはラバーを貼り替えるときはご自分でやっているでしょうか。

それともお店の方におまかせしているのでしょうか。

私はほとんど自分で貼り替えています。

お店の人に頼んだほうが確実できれいに仕上がることは確かです。

しかし自分でやってみたいという気持ちもありますし、通販で購入した場合や剥がしていたラバーを再度貼り直すときなどは必然的に自分で貼ることになります。


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 自分なりの工夫
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今はあらゆるものについて解説動画があり、ラバーの貼り替え動画も当然存在します。

メーカーの案内を忠実に再現しており、これがまさにお手本であると言えます。

私は以前ラバーの貼り替えについて触れました。

そこでは私独自のこだわりをお伝えしました。

主に資源とお金の節約に関することで、要するにケチるにはどうするかという内容でした。

今回はそれを一部アップデートしたいと思います。

某社の貼り替え手順では、接着剤をラバーおよびラケットの中心に500円硬貨くらいの大きさにひねり出すとなっています。

何度も貼り替えた私の経験から言えば、ラケットのほうは100円玉サイズで充分です。

さらに面積の小さい日本式角型ペンホルダーなら、ラケット側は50円玉程度で構いません。

次にメーカーの案内では専用のスポンジを使い、ラバーおよびラケットの表面に薄く伸ばすこととなっています。

かつて私はこの専用スポンジを使うことがもったいないと述べました。

激安価格で売っている食器洗いのスポンジを切って使うか、自分の指で伸ばせばタダだとしていました。


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2020 .11.14
以前、皆さんご自身が練習する姿を録画してみることをお勧めしました。

私は時折それを実践していて、新しく試してみたい打ち方や自信のない技術の場面を中心にスマホで撮影していました。


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 現在の撮影機器の制約
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最近まで使っていた撮影機器は上半分にスマホを固定させ、下のほうについている大型クリップで適当な所に挟む方式のものでした。

しかしいろいろな場所で使ううち自由度の低さが問題となり、録画を見合わせるケースもありました。

なおこれについては別に機器のミスチョイスをしたと後悔しているわけではなく、状況に応じて変えていくのは自然なことだと受け止めています。

何事も今が最終的な完成形だという考えは捨て、永遠に試行錯誤が続くものだと理解しているのです。

これまでに何度か、練習場で撮影している他の人の機器を目にする機会がありました。

自撮り棒を柱の角に寝かせたり、中には窓枠にスマホを立て掛け背後に小麦粉粘土で支えていた人もいました。

私が使っていたものと類似のタイプもあり、一度その使用者にご意見を伺ったことがあります。

クリップ状や万力状の挟むタイプはそれなりの汎用性はありますが限界もあって、挟む場所に傷が付く恐れから断られた卓球場もあったそうです。


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今回はブランドの統廃合についてお話しします。

去る10月1日に株式会社VICTAS(ヴィクタス)はTSPブランドを廃止し、VICTASブランドに統一することを発表しました。


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 歴史と今回集約される製品
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まずVICTAS社の沿革についてざっと見ていきます。

1931年(昭和6年)、東京都北区に鈴木セルロイド工業が創業され、1938年に大阪へ移転しました。

戦後になりYSPというブランドを展開し、それとはまた別ブランドのTSPが全国に広まりました。

1963年には社名をヤマト卓球に変更しました。

そして多くの方がご存知の最近の動きでは、VICTASという新しいブランドを立ち上げ、TSPとのダブルブランド戦略を取っていました。

社名はまだヤマト卓球のままでしたが、その後株式会社VICTASに変更となりました。

そして今月の発表があり、2021年の春にTSPブランドを廃止しVICTASに統一される予定となりました。


さてここで気になるのは、現在TSPとして販売されている製品がどうなるかという点です。

ざっくり申し上げると、主力商品の多くは名前を若干変更し引き継がれ、一部は販売終了となります。

後継商品が企画されているのかもしれませんが、ひとまずラバー貼りラケットやラージボール関連の商品は終了となります。

ラバーは廉価版の商品を中心に、エクシズやUQなどが取りやめとなります。

少し意外だったのが、スペクトルとスピンピップスのハイテンションスポンジを使った製品が終了することです。

販売開始されてから、まだそれほど年月は経過していなかったためやや驚きでした。

テンションではない従来スポンジを使ったスペクトルとスピンピップスは、VICTASブランドとなって継続販売されます。

ラケットは古いタイプを中心に廃番となり、存続する製品でも数が出るフレアグリップだけが残るものがあります。

ストレートグリップや中ペン(中国式ペンホルダー)を使っている人は注意が必要です。


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いつものように日頃の運動不足解消のため、某卓球場に出かけました。

ベンチに腰を掛け靴紐を締めていると、ポンと肩を叩かれました。

「よっ」

そこに立っていたのは前回ご紹介したTさんでした。


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 強引な展開
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前回のおさらいをすると、お名前を存じ上げないこの中年男性を私はTさんということにしました。

トランプ大統領のような性格の人物だったからです。

中ペン(中国式ペンホルダー)の裏面打法によるバックハンド攻撃について熱く語り、片面ペンの私に裏面打法を勧めて帰っていきました。

今回私は、Tさんと社交辞令的な短いやり取りだけをして済ませるつもりでした。

ところが「一緒に打とう」と笑顔とともにすごい眼力を放ってきます。

もう完全にロックオンされた状態で断ることはほぼ不可能です。

余談ですが安倍前総理も、よくまあトランプ大統領みたいな人と良い関係を保っていたものだと驚きます。

前総理の性格を考えると、できればあんなタイプの人とはお付き合いしたくなかったはずで、我が国の国益を考え耐えていたのでしょう。

話を元に戻すと、Tさんにある程度お相手いただき→ありがたいお話を傾聴し→ご満足いただいてから、おしまいにしようと気持ちを切り替えていました。

しかし相手は自己主張の塊であるTさんです。

前回お会いした際の最後のメッセージを繰り返してきました。

「なんで今どき時代遅れの片面ペンホルダーなの」

「絶対裏面振るべきだよ」

そして私が裏面打法ができるよう、ご指導をいただく流れになってしまいました。


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今回も某卓球場でお会いした一般愛好家の人について、お話ししたいと思います。

私がこれまでご紹介した人物は、個性的な方が多いと思われているかもしれません。

もちろんシェークハンドラケットで両面に裏ソフトラバーを貼り、穏やかな性格の人というのはたくさんいらっしゃいます。

しかしそういう人を取り上げるのは、例えて言えば「情熱大陸」で20年間経理担当のサラリーマンを紹介するのと同じだと考えています。

従って今回も癖の強い方となります。


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 熱量に満ちた人
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ご紹介するのは中年男性で、とっても自己主張の強い方です。

トランプ大統領はこんな感じだろうと勝手に決めつけ、お名前はTさんということにしておきます。

Tさんは人の話をほとんど聞かず、自分の考えや主張を一方的にまくしたてるように話します。

休憩中ベンチに腰掛けていると話しかけられ、私は張り子の虎のようにうなずいていました。

Tさんは中ペン(中国式ペンホルダー)の両面に、裏ソフトラバーを貼ったプレースタイルです。

前回はバックハンドドライブに魅せられた人をご紹介しました。

Tさんも同じく、ここ最近はバックハンドを重点的に練習しているとのことでした。

自分でつかんだ打球感覚を他人にも話したくてウズウズしていたのでしょうか、私に熱い口調で語ってきます。

「台上の短いボールに横回転を掛けて返す、いわゆるチキータの場合、時計の2時に相当する場所にボールを当てるんだ」(右利きの場合。以降同様)

「それによって遠心力を利用できコンパクトな鋭いスイングで効果的なボールが打てるのサ」

そう言いながらラケットを目の前で何度もビュンビュン振り回します。

「スイングがぶれないよう、打つ前にラケットの先を卓球台に接触させておくのがミソだよ」

激しく擦れたラケットの先端を私に見せます。

「でも台から出るような長いボールは安定性重視に切り替え、今度は文字盤の4時のあたりで打つんだ」

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